「里帆ちゃん…この後、少し時間ある?」
「あ、はい…大丈夫です」
試写会後、思いがけず景子に誘われ、同じ関西出身ということもあり、共演後打ち解けた関係を築いた里帆が、嬉しそうに承諾する。
「車、用意してるんで…一緒に、行きましょう」
マネージャーも帰し、2人でホテルの駐車場に向かう景子と里帆。
世間話をしながらも、時おり暗い顔を覗かせる景子が気になりながらも、尊敬する先輩との交流に、胸が高鳴る里帆。
「すご~い…アレ…ですか?」
横付けされた、黒塗りの高級ベンツに、驚く里帆と開けられた後部座席に乗り込む景子。
「お疲れ♪…お~里帆ちゃんやったかな?…あんたもえらい別嬪やのう?♪」
見るからに反社の、しかもただならぬ凄みと迫力を醸し出す高沢が、上機嫌で招き入れる。
「け、景子さん……この…方は?!…」
馴れ馴れしく景子の肩を抱く高沢に、不信感と怪訝さを募らせ訊ねる里帆。
「お世話になってる…方なの……里帆ちゃんにも…紹介したくて……」
理知的な美貌に憂いを滲ませ、作り笑いを浮かべる景子。
先日の凌辱レイプ後、度々呼び出され、犯されただけでなく、闇社会の繋がりの中で、幾人かに性接待をさせられていた。
後悔の念と後ろめたさに押し潰されそうになりながらも、里帆を捲き込むことに踏み切るしかない景子だった。
数分後、高級ホテルに到着し、最上階のスイートルームに、直通エレベーターで向かう高沢と美人女優2人。
そこには、既にもう1人の反社組織の大物組長が、待ち構えていた。
「お~兄弟!…先にやっとるで!♪」
高級ブランデーを煽るように飲みながら、テーブルに足を投げ出す黒塚(56)。
高沢と兄弟分の関西ヤクザの重鎮組長だった。
「自分が、吉岡里帆か?♪…京都出身らしいな?」
酒臭い息を吐きながら、にじり寄る黒塚に怯え、後退りする里帆。
助けを求めるように、振り向いた里帆が、信じられない光景に戦慄する。
「な?!…け、景子さん!?…うそ?!…」
下着姿で半裸になった景子が、仁王立ちの高沢の逸物を、膝まづいて咥えていたのだった。
「ほら…先輩が見本みせてくれとるがな?♪…ワシらも、仲良うやろうや?…ガハハ!♪」
強引に里帆の腕を取り、寝室に引き摺っていく黒塚に、必死の抵抗を見せる里帆。
「やだっ!…こんなこと…け、警察!?…キャーーッ!」
里帆の細い首に腕を回し、軽く締め付けながら、諭すように恫喝する黒塚。
「ワシらも、手荒な真似はしとうないんや?…どうしてもいやっちゅうなら、先輩ともども…国外で働いてもらうことに…なるかものう?♪」
凄みを伴った非道な脅迫に、涙ぐむ里帆。既にソファーに手を突かされ、中腰で後ろから犯される景子の姿も目の当たりにし、恐怖と絶望感に苛まれていった。
20:31 - 2023年08月29日
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